サーフボード3大素材を比較! フルカーボン vs EPS vs PU

サーフィン

今回は、サーフボードの代表的な素材、最近注目の最新のフルカーボン、EPS、PUの3つを徹底比較します。フルカーボンについては、中が空洞のものではなく、EPSをカーボンでラッピングしたここ最近の最新技術を使ったフルカーボンボードになります。各素材の、特徴、フレックス性、重さ、耐久性、リペアのしやすさ、価格といった要素を掘り下げ、実際のサーフィンでの感想についてもお伝えします。

それでは、まず乗り味の違いからお話しします。

ちなみにスピード、コントロール、アクションの3つの点で比較しようと思います。

乗り味についてはボードによる特性もあるにはあるのですが、なるべく素材による特徴にフォーカスして話をしていきたいと思います。

スピード性能

PUボードのスピード性能

PUボードはしっかり踏み込むとぐんぐん加速していく感じです。逆にしっかり踏み込まずにガチャガチャした感じだとスピードに乗せきれないです。ぐーっどーんっってかんじ。
ちなみに、テイクオフ直後とかダウンザラインにおける初速については、EPSやカーボンのほうが波質にもよりますが早い感じがします。
ただ、ボトムまでいった段階(つまりスピードの頂点に達した状態)でのスピードの伸びはやはりPUが最強なのではないかと思います。つまりスピードの上限値はPUが一番かもしれません。
ちなみに、斜面が小さく降りる距離が短い波はPUならではのダウンザラインでのスピードののびが活かせないです。

EPSボードのスピード性能

EPSボードは軽量で浮力があり、スパンスパンとその浮力を使って加速させる感じで弾むような軽快なスピード感を味わえます。
PUと違うのはしなりを使ってドライブさせるのではなく、EPSは硬くてPUほどしならないため沈ませてその浮力を使ってドライブさせる感じになります。
ちなみにダウンザラインでのスピードはPUのほうが上ですね。ただEPSはコツを掴むと軽い力でスピードに乗せられて特に小さな波でスピードを保ちやすいです。
それとこれも大きな特徴ですが波のトップへの駆け上がりが素早いです。
ただオフショアが強いときは板が軽いこともありボトムになかなか降りていけないときがあります。これが難点かも。

フルカーボンボードのスピード性能

フルカーボンは軽量で浮力があります。これはEPSに近い感覚ですね。そもそも中身はEPSであることがほとんどなので当たり前かもしれませんが。カーボンはさらにその浮力にプラスしてバネのような反発があります。硬いは硬いのですが、EPSよりは若干しなりがあります。それによって反応の良いバインという感じの反発があるんですよ。
PUはぐーっと踏み込んで爆発的なスピードを得る感じ、EPSはぐいっと沈ませて浮かぶ力を利用してスピードに乗せる感じ、カーボンはというと細かいトリミングでぐんぐん加速させるイメージ。軽く踏むだけでも爆発的に加速するのでやりすぎるとふっとばされるような感じもあります。
ふんふんせず軽い力で加速させるのがコツかもですね。
エキスパートなサーファーだとうまくボードをコントロールできるのでそのスピード性能を存分に活かせると思います。

コントロール性

PUボードのコントロール性能

PUならではのしなりがあるため、ボトムでためたりカービングの最後で伸びるような粘りのある動きが可能です。
特に大きい波や掘れた波ではホールドしやすくPUが一番安心感があります。風がオンショアでガタついた波でもボードが跳ねることなくショックを吸収する感じでいなしやすいですね。
ただ重さとしなりがあるのでEPSやカーボンのような機敏な動きは苦手です。

EPSボードのコントロール性能

EPSボードは軽い力でボードをコントロールできます。そのため特にクリーンな面の小波、中波での取り回しがしやすいです。反応も良いので波の変化が激しいときの対応力も高いですね。
ただ波との一体感がすくないというかガチャガチャというかなんとなく飛び跳ねているような感じになりがちです。
それとEPSは早めの大きな波やパワーのある波のときに、レールを長くいれるのが若干難しくもう少しホールドしてほしいと感じるときがあります。
またEPSは面がガタついてるときは素材の硬さのせいかコブで突き上げ感が強くなってコントロールしにくい感じもあります。

フルカーボンボードのコントロール性能

フルカーボンボードは微細な動きに即座に反応します。なので当てたいセクションに素早く板を持っていくことができます。
軽くて軽快な動きはEPSに似ていますが、EPSより安定性は高い感じがします。
私が乗っているカリフォルニアツインは浮力も大きめにして乗っていますが、カーボン素材のお陰でかなり機敏な動きをしてくれます。大きい波のときでも安定感があり、ガタついた波のときも思いの外ショックが吸収されるのでそうした波でも対応できます。
以前ダークアーツのパフォーマンス系ボードを友人に借りて乗ったこともありますが、めちゃくちゃスピードも早いし、アクション性も高くすごいなとおもったのですが、私の技量では少し反応が良すぎて体がついていけない感じもありました。うまいサーファーであれば問題なく制御できるとは思います。

アクション性能

PUボードのアクション性能

PUはしなりを活かしてグーッと踏み込んで開放させる際の反発を生かしたパワフルなアクションができます。ターン後半の粘りによってねじり込むようなカービングターンなども、できちゃいます。とにかく大きめの波でのパワフルなアクションに向いてます。

EPSボードのアクション性能

軽快で急な方向転換がしやすいのでクイックなアクションができます。素早い板の返しができるのでトップアクションの練習には最高ですね。小波でのアクション性も抜群だと思います。なので大きなターンでつなぐパワフルなサーフィンより派手なリップアクションとかエアリアルをするサーフィンに向いていると思います。

私はそんな派手なアクションはできないのですが。

フルカーボンボードのアクション性能

軽くてクイックなアクションができるのはEPSと同じですが、よりスムーズでスピード感のあるトップターンやカービングができます。EPSと同じく、リッピングやエアリアルを交えたアグレッシブなハイパフォーマンスサーフィンに向いていると思います。それと不思議とアクション後の安定性が高いので派手なアクションの成功率も上がるとおもいます。ただ、反応がよくスピードが一気にあがるため自分が当てようと思ったセクションより先に板が行ってしまうようなこともあります。当てたい場所に板を持っていくのに少しコツがいる感じがしますが、微妙な調整ができるうまいサーファーさんならすぐ乗りこなせるんだろうなと思います。

PUと比べるとPUは割と大雑把にアクションを噛ませますが、フルカーボンはアクションする際、結構繊細なコントロールが必要な感じがしますね。

ちなみにフルカーボンはパフォーマンスボードに向いていてオルタナ系やハイブリッド系には向かないという意見もありますが、わたしはむしろカーボンはオルタナ系ハイブリッド系それとミッドレングスなんかにもすごく向いていると思います。本来ゆったりした大人なサーフィンに向いているそうしたボードですが、フルカーボン素材だと時にはカーボンならではの取り回しのしやすさ反応の良さによって鋭いアクションができるようになります。つまりオールラウンドなボードとしても使えるようになっちゃうんですよね。実際このカリフォルニアツインはかなり調子が良くて波のコンディションに左右されず乗れます

さてここからは、素材そのものの特徴の話をしていきますね。

フレックス性:

PU素材のフレックス性

PU素材は3つの素材の中で最もフレックス性があり波にフィットさせやすいです。特にスナップやターンでのしなりが自然でぐーっと踏み込んでに戻る力を利用したパワフルなアクションが可能ですトランポリンのようなイメージ

EPS素材のフレックス性

EPS素材は硬いですね。フレックスに関しては各ボードメーカーが工夫してそこそこしなりがあるものもありますが、puと比べるとやはり硬いです。ただ悪いことばかりではなく反応が良いのでスナップターンや鋭いリップアクションがやりやすいです。

フルカーボン素材のフレックス性

硬いですが最近のカーボンボードはそこそこしなります。技術の進歩はすごいです。ダークアーツやブラックダートのカーボン素材ボードについていうとバネのような反発があります。ロイター板、硬めのバネ

フレックス性の高い順に並べると

PU >> カーボン > EPS

EPSとカーボンは素材に使われているテクノロジーによるためフレックス性についてはそこまで大きな差はないですが、反発の感覚はちょっと違います。

重さ

PU素材の重さ

PU素材のサーフボードはEPSとカーボンと比べると重めです。その重みが波に対する安定感をもたらします。

EPS素材の重さ

EPS素材はPUに比べて軽量で、これにより、テイクオフやアクションが素早くなります。

フルカーボン素材の重さ

フルカーボンもEPSと同じぐらい軽いです。

重い順に並べると

PU > フルカーボン = EPS

フルカーボンとEPSはどちらも非常に軽いです。

耐久性とリペアのしやすさ

PU素材の耐久性とリペアのしやすさ

PU素材はEPSやカーボンと比べると衝撃に弱くクラックができやすいです。それとフットマークもできやすいですね。修理についてはポリエステル樹脂で修理しますが、市販のリペアキットで個人でもできます。ちなみにPUは水を吸うと重くなって使い物にならなくなるので、穴が空いたらすぐ海から上がってなんとか乾かす必要があります。

EPS素材の耐久性とリペアのしやすさ

EPS素材はPUに比べ衝撃には強いです。PUよりフットマークはつきにくいかな。PUと同じで水が中に入ってしまうとだめになってしまいます。修理についてはPUと同じポリエステル樹脂だとフォームが溶けてしまうので要注意です。修理に使うのはエポキシ樹脂ですが結構扱いが難しくて硬化剤と適切な割合にしないとなかなか硬化しなかったりでリペアは技術を要する場合があります。デモできなくはないですね。私はちょっとしたクラックであればEPS対応のソーラーレジンで修理しちゃってます。

フルカーボン素材の耐久性とリペアのしやすさ

フルカーボンは非常に高い強度を持ち、耐久性は最も高いと思います。ただもちろん絶対に割れたりしないということはなですし、熱に弱いですね。長時間光熱になる車の中や、太陽の光に当てると膨張したり剥離の原因になってしまいます。修理については結構むずかしいので専門業者にお願いしたほうがいいかもしれません。

価格

最後に価格ですが

高い順に並べると

フルカーボン > EPS > PUという順になります。

やはりカーボンは高いです。初心者がいきなり手を出すのはちょっと勇気がいりますね。

まとめ

PUボードは、はらから頭オーバーの波に最適です。特に大きな波ではPUが一番向いていますね。それとガタついた波での対応力も高いです。しなりがあるため粘りのあるターンができるし、踏み込んで長くレールを入れて開放する際の勢いを利用したパワフルなライディングができます。パワフルなスプレーをドカンと上げるようなサーフィンスタイルを好むサーファーに向いています。

EPSボードは、モモコシからムネカタぐらいが最適です。ただ風が強いとき、面ががたついているときは、軽量で固めの素材のため安定しない感じもあります。すごく軽量で浮力があり初速がはやく反応が良いため小波でもスピードが出せてアグレッシブなサーフィンができます。鋭いトップアクションやエアリアルをするようなスタイルにハマりますが、テイクオフが早く初速が出るので初中級者が小波で練習するのにもありだとおもいます。

フルカーボンボードは、こしから頭までが最適で、がたついた波の対応力もそこそこあるため幅広い波で利用できると思います。EPSと同じく軽量で浮力もあり、スピードが出しやすいです。軽い力でふんふん踏み込まなくても加速していくのでスピーディーでスムーズなサーフィンができます。鋭いトップアクションもしやすいですが、反応がめちゃくちゃ良いのと、バネのような反発があり突発的な瞬間移動のようなうごきをするため、体がついていけない場合があります。上級者以上のサーファーさんであれば逆にその特性を活かしてかなりハイパフォーマンスなサーフィンができると思います。

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